ボイラーさん、ご機嫌ナナメ
現在の焼酎造りに欠かせない、大切な設備の一つがボイラー。
原料を蒸すのと蒸留と瓶を洗うのには、このボイラーが生み出す蒸気が必要なので大切に使っている。
今使っているのは自分で仕込をするようになって3台目のボイラー。
前の2台は基本的な操作しか知らなかったので、突然燃焼しなくなって困ったことが何度かあった。
忘れてはいけないのは
使用後に給水・蒸気バルブを閉めること
定期的なブロー(水の交換)
ボイラーは鉄でできていて、中に水を入れるので錆びるはずだが、作業後に速やかに吸水バルブと蒸気バルブを閉めると、内部の温度の低下によって真空状態になり錆びない。閉め忘れると酸素が侵入してきて酸化する。
昔はしょっちゅう閉め忘れていたが、自分で金を払うようになるとなるべく長持ちさせたくなる(笑)。
水には微量のミネラル分等が含まれているので、軟水機という機械を通してこれを取り除き軟水化する(と、思われる。ここら辺は専門家ではないので、経験上の話)。
蒸気にする水がボイラー内部には溜まっているが、これを使い続けていると除き切れない成分が煮詰まってスケールといわれる石灰のような状態でにボイラー内部に付着する。
水を溜める缶体内部に付着すると腐食を早めるといわれているし、水の量を計っているセンサーが覆われてしまうと、水が無くなっても吸水しないで空だきになったり、逆に満タンに水が入っているのに止まらなかったりという不具合が出るので、時々内部の水を沸かして、少し圧力をかけて排出するブローという作業が必要になる。
数年前に入れ替えたボイラーでは、燃焼時間によって自動的にブロー時期を知らせるランプがつくのでわかりやすい。以前は全ブローといって中の水を全て排出したのだが、今使っている機種から、半分くらいだけ捨てるとランプが消えてそれ以上は捨てなくても良いことになった。ボイラー屋さんの話では「その方が錆びにくいことがわかった」ということだった。
今日は2次仕込の日で、一昨日蒸留したときにブローランプが点いていたので、作業前にブローをした。
通常は圧力計の2の目盛りで火を止めてブローをするのだが、ちょっと目を離して話し込んでいたら4まで上がってしまった。
そのままブローすると圧力が高いせいかものすごい勢いで熱湯が排出されて、中の水が全部無くなってもランプが消えず・・・???
おかしいな・・とは思いつつ、電源を入れると吸水もせずに燃焼が始まり(つまり空だき)、案の定警報ランプとブザーの波状攻撃。
もう麦を蒸す時間はせまっているし、いくらリセットしても吸水ポンプはまわらないし。
ボイラー屋さんに連絡すると、水位のセンサーがあやしいってことでそこら辺を点検すると、やっと給水開始。
ところが燃焼スイッチを押すと再び警報ランプとブザー。
再度ボイラー屋さんに連絡すると、空だきしたのであちこち過熱しすぎて温度センサーが引っかかっている可能性ありとのこと。
給水と排水を繰り返して、缶体温度を下げてみると3回目でようやく点火。
この時点で30分ほど遅れは出たが、水切り時間を長めにとったという解釈で許す。
麦の蒸し状態は良かったので一安心だった。