嶋自慢という銘柄
東京都東小金井で、三河屋というもっとも酒屋らしいというもいうべき屋号の酒屋を営んでいる伯母がいます。
子供の頃からとてもお世話になった伯母で、今朝電話をもらって久しぶりに長い話をしました。
伯母は父兄弟の第一子なので、もうわが家の誰も知らないような話も知っています。
わが家の都市伝説(?)というべき話に「宮原酒造は多満自慢に清酒の権利を売った」という話があります。
多満自慢といえば福生の石川酒造さんの銘酒。
いろんな人に「多満自慢に清酒の権利を売った・・・」という話を良く聞きましたが、「詳しくは知らねえけどな」という人ばかりです。総会で石川さんに合ったときにも訊いてみましたが、よくわからないようでした。
「たまじまん」と「しまじまん」。平仮名で書いたら一文字しか違いません。
今朝、伯母と話しているときにそんな話になり、「自分が娘の頃の話だから、他の兄弟も知らないはず」といって、その話を教えてくれました。
祖父の時代。
当時の焼酎は量り売りでしたが、そのうち瓶に詰めて売るようになると銘柄が必要になってきます。
小売酒屋でもあるわが家には、内地から仕事に来ている警察官や役人等いろいろな人が出入りしてたそうで、そんな人たちと銘柄について喧々諤々話し合っていたそうです。
「しまびじん」や「しまむすめ」が候補だったそうですが、 美人や娘は荷が重いと祖母がかたくなに拒否したそうです。
最終的に当時から有名だった多満自慢の自慢をもらおうということで、祖父が当時2石(一升瓶200本分)だけ持っていた清酒の製造免許と交換に、嶋自慢という名前をもらった・・ということでした。もう確かめようもありませんが、売ったのではなく、自慢と交換したというのが本当の話のようでした。
嶋自慢は昭和33年に商標登録されています。今の世の中なら、商標を出願して通れば問題ないわけですが、祖父が筋を通してわけてもらったという自慢の文字を、これからも大切にして行こうと思った朝のひとときでした。
いい話だね。
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