瓶を洗う 1
谷口さんが一円大王日記で書いていて、「おお、同じ同じ・・」と納得してしまった洗瓶の話。
焼酎を売るためには瓶詰めしなければならないし、瓶詰めするにはキレイな瓶を用意しなければならない。
キレイな瓶がなければ、汚れた瓶を洗わなければならない。
10年ほど前までは、一升瓶は全て島内に流通しているものを回収してブラシで洗って詰めていた。
1.5m x 2.5m位の大きさで一升瓶を立ててつけ込める桶があって、これに半分くらい水を入れて、ママレモンを大量に投入して、瓶を入れていく。
瓶を運ぶ係、桶に投入する係、瓶を沈める係・・家族総動員でやった時もあるなあ・・・。
この瓶も油やドレッシング、灯油やシンナー類などを入れたものは他の瓶にまで臭いが移るし、洗ってもダメなので、投入時にいちいち中身を臭って確認する。腐った酒とか、酢の瓶とかはうかつに吸い込むとひどい目にあうのだけど・・・・。
ムカデや蜘蛛が出てくる時もあって、なかなかにスリリングな作業でもあったけど、そこら辺は最近でも変わっていない。
投入した瓶は横になっているので自然に水を吸い込むのだけれど、三分の一ほど水が入ると口を上にしてぷかぷか浮いてしまうので、一本づつ沈めて、後から熱湯を入れたときに転ばないように、瓶の中に水を七割方入れて、隅から順々に立てていく。
きっちり瓶を入れたら、この桶にボイラーで沸かした熱湯を投入した。
もう熱くて、手では危ないので浮いてくる瓶はバールで口を押さえてお湯を吸い込ませて沈める。
今でもおぼえているけど、きっちりと立てて置いて、上のスキマ部分に今度は横に瓶をいれていくと、この桶に瓶は151本入った。
蓋をして一晩置いてから回転ブラシの洗瓶機で洗った。
一晩置くとお湯もぬるくなって、たいていのラベルはもうはがれそうになっていた。
洗瓶機で瓶を洗う係と、泡だらけの瓶をすすぐ係とに別れて、けっこう面倒な仕事ではあった。
在庫の都合によってはこの作業を3日4日続けて、450本とか600本とかの一升瓶を洗った。
この回転ブラシの洗瓶機は一升瓶しか洗えず、小さな瓶は手でブラシを使って洗っていた。
思い起こすとやってもやってもなかなかはかどらない、まさにひまだったあの時代だからこそ出来た作業だった。
(ん〜、文章ではよくわからないかなあ・・・、もうこの作業はしなくなったので、写真も撮れないのです。)
その後、小さな瓶の商品も売れるようになってくると、瓶を洗うのがどうにも間に合わなくなり、当時の社長であった父が
「洗瓶機を買うぞ!!」
と、思い立ったのであった。